2025年10月16日（木）、鹿児島市のかごしま県民交流センターにて「九州宇宙ビジネスキャラバン2025鹿児島」が開催されました。

このイベントは、一般社団法人九州みらい共創が主体となり、九州地域における宇宙産業の発展と、次世代の宇宙人材育成を目的としたプロジェクトです。第3回目となる今回は、鹿児島県との共同主催のもと、過去最大規模となる約50名のスピーカーが登壇しました。会場は、全国各地から集まった企業・研究者・学生たちの熱気に包まれました。

当社の取り組みと展示
当社は本イベントにEarth Sponsor（アーススポンサー）として協賛し、会場では衛星通信用地上局アンテナの模型を展示しました。

さらに、当社 取締役 第2開発部 部長の和田がセッション03「九州ものづくりの強みと世界を目指した次の一手」に登壇。当社の取り組みや、鹿児島・九州から発信するものづくりの可能性についてお話ししました。

宇宙開発を支える「人」と「技術」
セッションではまず、和田が宇宙開発の現場で感じている課題について語りました。

「人工衛星を含め、宇宙開発事業で一番の課題は“エンジニア不足”です。宇宙産業というと最先端のイメージがありますが、実は昔ながらの“アナログ技術”が今も多くの場面で生きています。システム開発や製品設計も、その土台の上に成り立っているのです。今、問題となっているのは、そうした技術を受け継ぐ人材が減少していること。業種を超えた人たちの技術こそ、宇宙産業に活きてきます。」

「日本のものづくりが岐路に立つ今、昔ながらの技術を持つ方々にも、どんどん宇宙開発の扉を叩いてほしい。宇宙だけが特別なのではなく、すべての産業の延長線上に未来があります。また、宇宙機器の開発では【開発と量産を同時に進めるスピード感】が求められています。量産しながら品質を保つ難しさこそ、日本のものづくりの腕の見せ所です。」とも強調しました。

鹿児島は、種子島宇宙センターをはじめ、古くから宇宙と縁の深い地域です。
和田は最後に、今後の展望として次のように語りました。
「鹿児島には、宇宙へのチャンスがたくさんあります。“Made in Kagoshima”をもっと日本へ、もっと世界へ。鹿児島に根付きながら、“オール鹿児島”、そして“オール九州”でものづくりの力を発信していきたいと思っています。」
鹿児島には、長い年月をかけて培われてきた確かな技術と、人と人との強い結びつきがあります。私たちは、そうした地域の力を糧に、九州から世界へ羽ばたく「ものづくり×宇宙」の新たな時代を切り拓いていきます。

“Made in Kagoshima”をもっと日本へ、もっと世界へ――。

これからも地域と共に、未来を見据えた挑戦を続けていきます。

【イベント概要】
九州宇宙ビジネスキャラバン2025鹿児島
セッション：「九州ものづくりの強みと世界を目指した次の一手」
会場：カクイックス交流センター（かごしま県民交流センター：鹿児島市山下町）
公式サイト：https://qsbc.jp/
主催： 鹿児島県／一般社団法人九州みらい共創
後援：内閣府宇宙開発戦略推進事務局／宇宙航空研究開発機構（JAXA）／鹿児島県市長会／鹿児島県町村会／公益社団法人日本青年会議所九州地区鹿児島ブロック協議会